人を許して逝く

出演者
榊原 寛
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2026.09.01
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 23章34節
放送日
2026.09.01

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神の愛を伝えて75年!今日の「世の光」は、1997年10月に放送された榊原寛牧師のお話をお届けします。

イエス・キリストは十字架上でいくつかのことばを語られたと言われているんです。壮絶な苦しみの中で語られた、途切れ途切れのことばを、人々は聞いたんですね。「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」
目の前には、キリストへの憎しみと妬みの塊のような姿で勝ち誇った宗教指導者たちがいました。また言いつけられる通りいつものように、死刑執行しながら囚人の上着をくじ引きにして遊んでいるローマの兵隊たちもいました。弟子たちはキリストを捨てて逃げました。その後姿がキリストの目に映ったかもしれません。もう呪っても呪ってもまだ足りないような人々に向かって、キリストは天の父なる神に赦しの祈りを捧げているんですね。
最近読んだ本の中に柳田邦男さんの『「死の医学」への序章』というのがあるんですけど、その中にですね、盛岡市で内科医院を開いていらっしゃる斎藤恵子さんという女医の方が、そのいとこの岩手医科大学第一外科助教授だった波多福徹彦医師のことを書いていらっしゃるんです。この波多福医師はですね、肺癌が発見されてわずか9ヶ月、49歳で世を去っていかれたそうです。その波多福医師のことについて、いとこの斎藤恵子医師は、著者である柳田邦男さんに手紙を寄せていました。一部だけですが、こんな風に書かれていました。
「末期の方々の病床では必ずと言ってよいほど、許しの時が見られます。それは本当に素晴らしい光景ですが、私のいとこの場合にもありました。いとこは、ある先生からの裏切りを、自分の人生で最も悔しい心残りのこととよく話していましたが、聖書を読み、祈るようになってからは、その人をすっかり許し、そして自分も許され、清められてこの世を去りたいというようになったのです。以後、とても心安らかになりました」こんな手紙でした。
私たちすべてはやがて、神の前に立ちます。その時、私たちは皆、神の前に赦していただいた者としてでしか、神の恵みにも祝福にも、永遠のいのちにも与かることができないのです。その赦しが、完全に行われたのはキリストの十字架上です。したがって、これほどまでに赦されているのですから、私たちもまた許すべき人を許さなければならない。この力と愛は、キリストの十字架のもとから注がれ出ているのです。それを受け止めながら、人間関係において乗り越えるべきものを乗り越えていきたいと思います。

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